Destructured
Yutaka Yamauchi

2021

創造性とは

最近、創造性についての研究会に参加していて、最近はそればかり考えています。

創造性(creativity) = 新奇性(novelty) + エステティック(aesthetic)

ただ単に新しいだけでは創造的だとは言わず、そこに特定の人(アーティストのような存在)が感性・感覚的な驚き、感動、おそれなどを生み出すことが含まれています。つまり創造性とは、「エステティックな新しさ」と言うことから始めるのはどうでしょうか。

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iPhoneの欲望

日本企業にもiPhoneを作る技術力、デザイン力(見た目の)があったという話しはよく聞きます。しかしそうでしょうか。私が思うに、iPhoneは機能やデザインではなく「欲望」を構成したのであり、この欲望の秘密はiPhoneの「箱」だということです。

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女将(おかみ)さんとは

女将(おかみ)さんについて調べていました。その中で、後藤知美さんのとても興味深い論文を見つけて興奮してしまいました。まず重要なことは、「女将さん」という概念自体がとても新しいということです。ややこしいですが、まず女将さんという概念が、お茶屋などで1880年代から使われ始める経緯、そして女将さんが1980年代から旅館の文脈で使われる経緯があります。伝統的な文化が失われているという感覚が、逆に伝統的な文化を作り上げて、それを神秘化すると共に、それがあたかもずっと昔からあるものかのように仕立て上げられていくというわけです。

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価値の変遷: 社会的起業家、ESG投資

経済学部ゼミの学生がいろいろ調べて発表してくれました。前回のブログでは、自然への回帰やエクストリームスポーツがなぜ今の人々を魅了するのかについての議論を説明しました。今回は、社会的起業家やESG投資についてふりかえります。社会的起業家やESG投資は矛盾を抱えています。社会課題を解決するということは、社会課題自体が資本主義に起因することが多いため、資本主義のロジックを否定することになります。だからこそ、なぜ社会的起業家やESG投資が成功しているのかを理解することは重要です。 Read More…

価値の変遷: 自然、スポーツ

経済学部ゼミの最終発表会がありました。学生に最近価値となっているいくつかの事象、たとえば「自然」「エクストリームスポーツ」「社会的起業家」「ESG投資」などのお題を与えて、それらの文化的背景を考えてもらいました。つまり、なぜそれが人々を魅了するのかを考え、それが体現する特定の諸イデオロギーを炙り出し、それを歴史的文脈に位置付けるというエクササイズです。それにより新しい文化をデザインしようということです。今回は、自然とエクストリームスポーツについてふりかえりたいと思います。

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デザインについて: 歴史

前回はデザイン思考がエステティックを排除したことを説明しました。今回はデザイン思考には「歴史がない」ことの意味を説明したいと思います。デザインやクリエイティビティの文脈では、歴史は避けるべきものと考えられています。デザインもクリエイティビティも未来の社会を描くものだと言われ、過去を見ることは足かせにしかならないというわけです。しかし、歴史を作ることがデザインの目標でなければならないということです。真の革命は、過去へ跳躍し、過去を救済することでなされるというテーゼです。デザインとは、利用者の潜在ニーズを満たすことでも、顧客の問題を解決することでも、カッコいいものを作ることでもなく、人々の自己表現に関わる文化を作ることなのです。創造性とは、個人の内面のひらめきで未来を作るというのは幻想で、過去を理解することから始まるのです。

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デザインについて: エステティック

最近デザインおよびデザイン思考についてどう考えるのかと聞かれることが続いたので、あらためて書いておきたいと思います。デザイン思考は重要な成果を生み出しました。しかしながら、デザイン思考の限界を見極め、乗り越えていかなければなりません。京大のデザインスクールで深めてきた議論をご紹介したいと思います。今回は、最初のエステティック(美学=感性論)を取り上げたいと思います。デザイン思考はエステティックを排除しました。デザインが美大を卒業したエリートのデザイナーだけのものではなく、誰でも実践できるという... Read More…

ジェンダーのパフォーマティヴィティ

学部ゼミでJudith Butlerのジェンダートラブルを読みました。自分が読んで感動したもの、そして自分の研究で常に依拠するものの面白さを伝えたかったのです。「スゴいやろ、感動した?」とうれしそうに聞くのですが、「シーン」と反応がありません… ジェンダーのパフォーマティヴィティとは、そもそも性別という概念自体が何か自然に、解剖学的に存在している本質かのように捉えることを否定します。つまり、ジェンダーとは不確かなものでしかなく、そんな本質などないということです... パフォーマティヴィティは、染色体が存在しないとか、染色体を任意に組替えることができると言っているのではありません。男女という二元論はひとつの言説ですが、その言説の前にピュアな自然が存在するということがありえないということです。 Read More…

組織文化論を終えて

大学院の科目『組織文化論』が終わりました。今年度は履修生はひとりもおらず、履修していない学生さんと社会人の方々だけで最後までやりました。昨年度も、学部生や社会人の方が多かったのですが、オンラインになることで、より学外の方が参加しやすくなりました... 私の科目の中でも最も学術的な授業なのですが、なぜか正式にターゲットとしている大学院生ではなく、社会人の方々に興味を持っていただいています。学問が重視されない現在社会において、社会人の方々が学術的な議論に真剣に興味を持っていただいていることは救いです。 Read More…

デザインの「まなざし」

先日、ブログで書いた「まなざし」のあるデザインについて、説明が混乱しほとんど理解されなかったようですので、もう一度トライしたいと思います。... その場に他者の視線がなくても、自分の価値を呈示し、証明していくという弁証法的な過程はあると思います。... デザインされたものには、実際に「眼」はなくても、「まなざし」があるということです。「眼」で見ること(look)は見る主体(subject)に所属しますが、「まなざし (gaze)」は客体(object)にあります。この「まなざし」は、人々の欲望に結び付き、価値の源泉となるのです。 Read More…